デジタルコンテンツではない、何らかに秀でた企業がこの世界に進出したときに、よく陥るパターンを踏襲してしまっている。製作が遅い分だけ「致命的に悪い」とまで言えない程度には練られているのが、逆に勿体無い。元の分野で絶対的な知名度と普及率を誇るわけだから、それに負けないくらい洗練されたものを目指して欲しい。
まず、製作者としては、「登山に持参するアプリ」という姿勢なのだと思う。それ自体は否定しないが、依然として紙媒体の地図がものをいう世界であることは明白。この点は、山小屋がコンビニ相当の営業スタイルになるような変革がないと早々変わらないと思われるし、製作者側もユーザー側もよく分かっているはずである。
ゆえに、アプリが「地図ビューワー&現在地の確認」に留まっているのは残念だし、はっきり言えば呆れさえする。
個人の拙いアイデアではあるが、「登山中の現在地確認」のほか、「登山記録アプリ」と「登山計画アプリ」の融合を目指して欲しい。
1.写真やメモを、地図上に貼り付けられる機能。
2.iPadへの対応。購入データはiCloudなどで引き継げること。
3.ルートを指定することで、区間ポイント名や所要時間を自動リスト化できる機能。
4.ユーザー側が、オリジナルのルートやポイント、所要時間を設定できる機能。
これらがうまく合わされば、文句無しにベスト・アプリである。私は現状、山と高原地図(紙)を購入し、コンビニでスキャンして、パソコンで加工している。これをiPadやiPhoneに入れて閲覧しているわけだ。主な用途は、通勤や休憩時間に、登山計画の素案を練るためである。電車の中など、地図は広げにくいからだ。ペンでメモ書きして、所要時間を計算する手間までアプリで済ませられるなら、絶対に利用する。
現時点では、アプリ内の地図を買おうという気にならない。
Mars Scyther about 山と高原地図, v1.3.0